理事長からのご挨拶

社会医療法人 北斗 理事長 鎌田一 より皆様へのメッセージをご紹介いたします。


理事長 鎌田一

平成5年1月18日、私達は歩みはじめました。帯広駅より4キロメートル離れた秋蒔き小麦の畑でした。周辺には閑散と住宅が点在しているだけです。遙か彼方に認められる日高山脈まで、広大な耕作地が広がるのみでした。多額の借入金と、この十勝地域でまったく診療活動を経験したことのない医師7名を中心に組織された医療組織、その中に派生する奥深い不安に、押しつぶされそうになりながら迎えた開院式を、今でも鮮明に思い出すことができます。

同時に、漠然とした奥深い不安感を吹き飛ばすだけの<熱い志>を、94名の仲間は共有していました。患者さんが病院に来られるのをひたすら待つ医療姿勢ではなく、積極的に地域社会に出ていく新たな医療を展開し、地域社会に一定の流動化を引き起こしていこう。この掛け声の下、十勝の広大な平野を駆け回りました。21世紀の医療の核になるのは<第二次予防医療>であるという確信は、脳外科を中心にスタートした私達には確固として存在していました。

発症する前に病気を発見し、発症しないように対応していく・・・これが<第二次予防医療>のコンセプトです。脳卒中など脳外科疾患を中心に、医療機関から地域社会に情報を発信するだけではなく、積極的にさまざまな形態を駆使した啓発活動を展開し、結果として行政組織など多くの諸組織と連携する形で<第二次予防医療>の基盤を構築していきました。そのひとつが<脳ドックの十勝モデル>の実現です。このような医療活動の積み重ねが、現段階では<がんドック>・<心臓ドック>を合わせて三大成人病に対する<第二次予防医療>を展開する医療組織の実現となってきています。

一方、地方都市で展開する医療は標準化された医療に終始すれば良いという訳にはまいりません。不断に新たな医療への挑戦を継続することにより、医療の質を押し上げていく作業を放置することは出来ません。これは医療人の最低限のプライドであると思います。2000年6月の<ヒューマン・ゲノムの解読終了宣言>以降、私達医療人が提供する医療のコンテンツは大きく変貌していく、この流れが加速されていくという予見の下、2008年に<革新に満ちた医療への挑戦と新たなる組織価値の創造>として私達の医療活動の方向性を再設定しました。

危機的な状況にある日本社会、社会構造を新たに構築していかなければならない日本社会、この日本社会の再生の過程で医療が果たす役割は極めて大きなものになると、またならなければならないと確信しております。このような<熱い志>に裏打ちされ、私達社会医療法人北斗は新たな医療を創り出すべく邁進していきます。

地域の皆様が明るく健康な毎日を過ごせるよう支援させていただくことが、私たち北斗の役割と考えています。
「地域の皆様とともに、常に革新と改革を推進してゆく病院」をホスピタリティ・アイデンティティに掲げ、
地域での細やかな医療・保健・福祉のネットワークを広げ、ぬくもりに満ちた医療をこれからもすすめていきます。