64列マルチスライスCTは高速で一度に最大64枚の断層像撮影が可能な最新鋭CTです。より高精度の立体・断層画像が得られ、かつきわめて低侵襲な患者様にやさしい検査機器です。当院では2005年、64列マルチスライスCTを導入しました。
従来、心臓の冠動脈のように常に動きのある血管・臓器をCTスキャンで撮影することは困難とされていました。そのため狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の診断には、比較的患者様に負担をともなう心臓カテーテル検査をおこなっていました。
しかし64列マルチスライスCTにより、心臓など常に動いている臓器も心拍変動などの影響を受けにくくかつ鮮明な画像を得ることが可能となり、入院を必要とせず外来で検査ができるようになりました。
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従来のCTでは30秒間息止めをしなければ鮮明な画像の抽出が困難だったのに対し、64列マルチスライスCTでは10秒から15秒間の息止めですむなど、患者様の負担も大幅に軽減されました。造影剤の点滴は必要ですが、検査自体は10分から20分ほどで終了し、患者様にとってきわめて侵襲の少ない、身体にやさしい検査機器です。
冠動脈石灰化は動脈硬化の進展の最終段階の状態をいいますが、冠動脈の狭窄度とは必ずしも一致しません。
これに対し、心筋梗塞の原因にもなる不安定プラークは、さまざまな血管ストレスにより一連の血栓形成反応を起こし、急激に冠動脈閉塞をきたして急性心筋梗塞に至る場合があります。
カテーテル検査では血管の内側(内腔)だけを観察するのに対し、64列マルチスライスCT検査では血管壁やプラークを含む幅広い情報を得ることができます。さらに、血管内超音波やカテーテル検査よりも簡単に冠動脈の検査が可能な点も画期的です。
当院では2006年より64列マルチスライスCTを中心とした「心臓ドック」を実施しています。当院の心臓ドックでは虚血性心疾患を診断することが可能なほか、自覚症状がない場合でも、狭心症の早期発見につながることがあります。所要時間は開始から終了まで約3時間ほどです。