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がん温熱療法(ハイパーサーミア)

がん温熱療法(ハイパーサーミア)は、高周波エネルギーにより、がん組織を加熱し破壊する、身体に負担の少ない治療法です。

1. 他の治療との併用で相乗効果をもたらす治療法 ハイパーサーミア

一般的ながんの治療としては手術治療、抗がん剤を用いての化学療法、放射線治療の3つがあります。
がん温熱療法(ハイパーサーミア)は、高周波エネルギーを利用してがん組織を加熱し破壊する治療法で、従来の治療法と併用することでそれぞれの治療効果を高めるとして注目されており、集約的治療において重要な役割を果たすと期待されます。
当院では、高周波エネルギーをがん組織に非侵襲的に加える温熱治療装置「サーモトロン-RF8」を平成24年5月に導入しました。
放射線治療機器トモセラピー、また抗がん剤やHBO(高圧酸素治療)等と併用して治療をおこなうことがあります。

2. ハイパーサーミアの原理

温熱装置「サーモトロン-RF8」は、相対向する2枚の平板電極で身体を挟み、高周波エネルギーを与えることにより身体内部に高周波電流が流れ、そのジュール熱により、がん組織の温度を上昇させる仕組みです。
がん組織が正常組織に比べて熱に弱いという性質(人工的に熱を加えた場合、42.5℃を超えると急激に壊死するようになる)を利用して、浅部がんはもとより深部がんを選択的に42℃以上に加温し、がん組織だけを選択的に攻撃しようというのが、ハイパーサーミアの考え方です。
がん細胞は一般的に、正常細胞より温まりやすく、かつ熱に弱いという性質があり、同じように加温しても、がん細胞は正常細胞に比べて1℃から2℃ほど高くなるため、正常細胞を破壊することなくがん細胞を選択的に破壊させることができます。
なぜがん細胞は正常細胞より温まりやすいのでしょうか。
正常細胞は熱を加えられたり、動いたりすると血管が開いて血液がたくさん流れることによって、余分な熱を放出しようとします。
ところが、がん細胞は血管が拡張しにくいため、ハイパーサーミアで加温していくと、がん細胞は熱を逃がすことができないため、がん細胞がすぐに温められ破壊されるのです。

3. ハイパーサーミアの特徴

1. 脳と眼以外の殆どの部位に適用が可能です。
2. 浅部から深部まで病巣の深さに合わせ、選択的に効率よく治療がおこなえます。
3. 患者様への体の負担が少なく、外来での治療が可能です。
4. 他の治療との併用で、それぞれの治療効果の増強が期待できます。
5. ハイパーサーミアは疼痛緩和に効果があり、患者様のQOL(生活の質)の向上が期待できます。
6. 副作用が殆どないので、治療回数に制限なく施行できます。
7. 健康保険が適用されます。

4. ハイパーサーミアの治療効果

熱によるがん細胞の破壊効果だけでなく、化学療法や放射線治療に併用することで、それぞれの治療の増感効果が得られます。
適度な加温(41.5℃程度)は免疫能を活性させるため、免疫力が向上するといった効果があります。

・化学療法との併用
体温が上がることで血流が増加すると、腫瘍細胞内に多くの薬剤が取り込まれ、薬の効果が増強されます。そのため、薬の投与量を低減してもその効果を維持でき、骨髄抑制や疲労感、食欲低下などの副作用においても軽減することが可能です。

・放射線治療との併用
がん細胞は血流が低下し低酸素状態であることが多く、放射線治療に対する感受性が低い(放射線治療が効きにくい)とされますが、このような血流が低下し低酸素状態の時などでは、ハイパーサーミアに対する感受性は逆に高くなる(加温の効果がより強まる)とされ、放射線治療との相乗効果が期待されます。

5. ハイパーサーミアの治療の流れ

ハイパーサーミアの治療をご希望の方は、まずは担当の医師にご相談ください。

【診察】
紹介状・問診・診察で温熱療法による治療の適用、他の治療法との併用等を診断します。

【治療】
原則週1回から2回の治療で、治療時間は約40分ほどです。期間・回数は疾患によって異なります。

【治療効果の確認】
CT・MRI・PET-CT等の検査で効果の確認をおこないます。

■治療に際しご注意いただきたいこと

・治療が難しい方
ペースメーカーを装着されている方はハイパーサーミア治療ができません。また、治療部位近くに金属物(ステント、プレート、人工関節等)のある方、豊胸手術による人工物のある方などは治療が難しい場合がありますのでご相談ください。

・治療中
体が電気を帯びた状態になりますので、感電を防止するため貴金属、眼鏡、時計、補聴器などは外していただきます。
熱さや痛みを感じたら、スタッフにお声をお掛けください。

・治療後
大量の発汗がありますので、十分な水分補給が必要となります。

■副作用について

・熱傷(火傷)
まれに、治療部位の皮膚に熱傷(火傷)が発生したり、皮下脂肪が硬くなることがあります。その前兆として、治療中に熱感や痛みが出現します。
痛みと治療効果に関連性はなく、痛いから効いているといったことはありません。

・熱中症
患部だけでなく、体全体の温度が上がることで大量の汗をかき、熱中症を誘発することがあります。

・倦怠感
温度を上げる治療なので、微熱の後の気だるさ感や筋肉のこわばりが出ることがあります。

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