心臓は体中に血液を送り出すポンプの役目をしている臓器です。心臓は筋肉でできていますが、心臓の筋肉も血液から酸素をもらって活動しています。心臓の中には血液が常にあるのですが、残念ながら、心臓の中の血液から心臓の筋肉へ酸素を供給することはできません。心臓の出口のところに心臓の筋肉へ向かって血管が分岐しており、この血管からの血流で心臓は酸素が供給されます。この心臓の筋肉を栄養する血管を冠動脈と呼びます。狭心症は心臓の筋肉が必要なだけの酸素が供給されないため、酸欠状態になり、胸が苦しくなったりする病気のことをいいます。
こんな症状はありませんか?
●階段や雪かきで胸が痛くなったり苦しくなる ●胸に圧迫、締付け、冷や汗が出る痛みがある ●痛みは休むと短時間で落ち着く ●早朝に胸が痛むことがある
主な促進因子
●高血圧 ●喫煙 ●糖尿病 ●高脂血症 ●極端な温度差など



冠動脈の狭窄について
冠動脈は心臓の筋肉へ酸素等の栄養を供給している血管のことを言います。その血管内のいづれかに狭窄病変が発生した場合、心筋への栄養の供給が絶たれ、狭心症等の症状が起こります。正常な状態の冠動脈に対し、狭窄を起こした血管は、出来たプラークによって血流が減少。十分な酸素や栄養が行き渡りません。


狭心症〜2つの原因
①動脈硬化
動脈硬化で冠動脈内にプラークというゴミが沈着して、内腔が狭くなると、血流が少なくなります。一般的に狭心症と言われるのは、この動脈硬化による労作性狭心症を指すことが多く、主に運動したときに症状を認めるため、労作性狭心症と呼ばれます。
動脈硬化で冠動脈内にプラークというゴミが沈着して、内腔が狭くなると、血流が少なくなります。一般的に狭心症と言われるのは、この動脈硬化による労作性狭心症を指すことが多く、主に運動したときに症状を認めるため、労作性狭心症と呼ばれます。
②血管の痙攣
労作性狭心症とは違い、動脈硬化が全くなくても、冠動脈が痙攣することによって一時的に血流が悪くなり、心臓の筋肉へ酸素が行かなくなり、狭心症発作を起こすものがあります。これを、労作性狭心症とは違う狭心症として、異型狭心症、冠攣縮性狭心症と呼ばれます。
労作性狭心症とは違い、動脈硬化が全くなくても、冠動脈が痙攣することによって一時的に血流が悪くなり、心臓の筋肉へ酸素が行かなくなり、狭心症発作を起こすものがあります。これを、労作性狭心症とは違う狭心症として、異型狭心症、冠攣縮性狭心症と呼ばれます。
狭心症の診断方法
狭心症は症状が無いときには全く異常所見が無いのが大きな特徴です。冠動脈に狭搾があっても、安静時で症状が無い場合には、心臓の筋肉へ十分酸素が供給されており、ひどい発作が起こった後で、心臓の筋肉にダメージが残っている場合で無ければ、検査データに異常は検出されません。そこで問診等で普段の生活の中で感じる「自覚症状」をできるだけ詳しく医師に伝えることが重要となります。
狭心症の検査方法は、心電図検査、胸部レントゲン検査、心エコー検査、採血検査、CT検査などがあり、中でもCT検査による検査は鮮明な画像を得ることが可能で、診断の大きな要素となっています。
狭心症の検査方法は、心電図検査、胸部レントゲン検査、心エコー検査、採血検査、CT検査などがあり、中でもCT検査による検査は鮮明な画像を得ることが可能で、診断の大きな要素となっています。
CTを使用した検査
CTを使用した検査は、臓器を立体的に撮影することができるので、狭窄部分の評価に適しています。また、CT検査で造影剤を血管内に入れ、冠動脈の撮影を行い、冠動脈内の動脈硬化病変の評価も可能です。常に動いている心臓と冠動脈も、心拍変動などの影響を受けにくく、クリアな画像を得ることが可能です。


内科的治療法
労作性狭心症の治療法で、比較的大きな血管に2~3カ所程度の狭搾の場合、カテーテル治療を検討します。手首、肘、足の付け根などから細い管を心臓の血管まで持って行き、カテーテルを用いて、ステントという金属やバルーンを用いて血管を広げる治療法です。








非常に細い血管だけに狭窄病変がある場合など、バイパス手術やカテーテルによる風船でも膨らませられない場合は薬による治療を行います。また、冠攣縮性狭心症の治療法としては、血管の痙攣が起きないようにするための、内服治療が主になります。その際、たばこを吸っている方の場合は禁煙と、発作が起きないように投薬の調整を行います。
外科的治療法
外科的治療法としては冠動脈バイパス手術を行います。自身の血管を採取し、全身麻酔で行います。狭くなった冠動脈の先に、髪の毛ほどの細い糸で血管を縫い付け、新しい迂回路(バイパス)を確保し血流を回復させます。糖尿病患者さんの複数の冠動脈病変に対してはこのバイパス手術が選択されます。

