
春は多くの方々の鼻の調子が悪くなる季節。花粉症、寒暖差アレルギー、コロナ・インフル、風邪が多いです。しっかりと対策して上手に乗り切りましょう。症状の違いを下の表にまとめました。

十勝の花粉症
十勝でも花粉症が始まっています。3月下旬のハンノキから始まり、4月中旬からシラカバ花粉が飛散します。2025年春のシラカバ花粉の飛散量は例年並みと予測されています。
・シラカバ花粉症の約30%の方がリンゴや桃などの果物アレルギーがあります。
・シラカバ花粉症のほとんどの方がハンノキ花粉症があります。
・シラカバ花粉症の約30%の方がリンゴや桃などの果物アレルギーがあります。
・シラカバ花粉症のほとんどの方がハンノキ花粉症があります。

花粉症の生活上の注意点は?
鼻の中に花粉が入らないようにマスクをしてください。目に花粉が入るのを減らすためにも、なるべくメガネを装着するようにしましょう。

花粉の飛散状況をチェックして、晴れて風が強く花粉が飛びやすい時期は、外出を避けてください。

花粉が多い日は窓を閉め、家の中に花粉が入ってこないようにしましょう。洗濯物は外に干さず、室内干しにした方がよいでしょう。

外出から帰宅した際には、髪や衣服に付着した花粉をできるだけはらい落してから部屋に入るようにしましょう。空気清浄機は花粉にも効果があります。

花粉症の検査はできますか?
北斗クリニック耳鼻咽喉科を受診して頂ければ、アレルギー検査ができます。どの花粉に対するアレルギーがあるか、食べ物アレルギーやペットのアレルギーにも対応した「View39」という1回の採血で39項目を調べることができる検査があります。約2週後に結果がでます。総合的なアレルギー検査「View39」(BML社)


• 結果が出るまで約2週間です
• 費用は3割負担で約5,000円です
花粉症の治療法は?
花粉が飛散する2週間前、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る前から、アレルギーの飲み薬を飲んでおくと楽に過ごせます。早めの耳鼻科受診をお勧めします。最近は眠気の少ない飲み薬も多くなっています。ステロイド点鼻薬(鼻のスプレー)も鼻づまりに有効です。また、下の記事で紹介する鼻のレーザー治療もあります。

鼻うがいは効果あるの?

鼻に入った花粉だけではなく、ウイルスを洗い流す鼻うがいも有効です。北斗病院ローソンで「フロー・サイナスケア」という鼻うがいキットを販売しています。ぬるま湯に付属の粉を入れて鼻の中を洗い流します。洗浄液は体に近い成分なので、刺激は少なく、鼻の中がすっきりします。
シラカバ花粉症の方は食べ物も注意
シラカバ花粉症の約3分の1の方にリンゴ、もも、キウイでのどがイガイガする口腔アレルギーが見られます。豆乳を飲んでのどが腫れたり、息苦しくなることもあり、注意が必要です。寒暖差アレルギー
春先などの季節の変わり目は、1日の寒暖差が大きくなるもの。寒暖差によって起きるくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を「寒暖差アレルギー」といいます。寒暖差アレルギーはどのような時に起きるのですか?
朝、暖かい布団の中から茶の間に出たときなど暖かい場所から寒い場所へ移動したとき、朝食のご飯や味噌汁の湯気、カレーやラーメンなど熱くて刺激性が強い食べ物を食べたとき、くしゃみが出て鼻水が止まらなくなることがあります。寒暖差アレルギーは、気温差が7℃以上になると、温度差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引きおこされます。自律神経の乱れも関係があると言われています。医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれています。血液検査でアレルギーの原因を調べても全て陰性になります。

予防法はありますか?
体感気温差を小さく体感気温差を小さくすることが大切です。例えば気温が低いときは、マスクやマフラーをしたり衣服をしっかりと着込んだりして、気温が高い時間帯や場所との温度差を小さくするようにしましょう。
食生活の見直し
規則正しい食生活を心がけ、体を温めるとされる食材(しょうがやニンニクなど)を意識的に取り入れることも良いでしょう。
自律神経のバランスを整える
精神的・肉体的ストレスが多い生活をしていたり、夜遅くまで起きているなど不規則な生活を続けたりしていると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自分なりのリラックス方法で体を休めて、規則正しい毎日を送るよう心掛けましょう。お風呂にゆっくり入ることも自 律神経を整える方法の1つです。熱すぎず冷たすぎない温度のお風呂に入りましょう。
寒暖差アレルギーの治療法は?

症状が重い場合には、抗アレルギー薬などの内服薬やステロイド点鼻薬(鼻のスプレー)が有効です。朝、鼻水がひどい場合は寝る前の内服薬が効果的です。薬は多くの種類があり、効果が少ない場合は違う薬を服用して頂くこともあります。
鼻がつまる方へ 鼻のレーザー治療があります!
鼻の中の腫れた下鼻甲介粘膜に炭酸ガス(CO2)レーザーを当てて、通りを良くする治療があります。「下甲介粘膜レーザー焼灼術」といいます。北斗病院では、炭酸ガス(CO2)レーザー(LESAC社)を2025年春に導入しました。くしゃみ、鼻水にも効果があります。治療をお勧めする方
・花粉症やアレルギー性鼻炎で、特に鼻づまりが強い方・内服薬の服用や点鼻薬スプレーをしても良くならない方
・薬を飲みたくない方
治療の方法
①鼻の中に麻酔の薬のついたガーゼをつめて、局所麻酔をします。②手術室で内視鏡を通して鼻の中を見ながら、鼻の粘膜に炭酸ガス(CO2)レーザーを当てます、痛みや出血はほとんどありません。
③治療後1周間は鼻の中にかさぶたが付いて鼻がつまるので、飲み薬や点鼻薬を処方されることがあります。
④約1週間後に再診します。その後、徐々に鼻の通りが良くなります。

腫れた鼻の粘膜

炭酸ガス(CO2)レーザーを当てます

2ヶ月後 鼻が通ります
治療の効果
ほとんどの方に鼻づまりの改善がみられます。半年から1年後に再び粘膜が腫れて、鼻がつまる方もいらっしゃいます。その場合、治療を繰り返すことができます。治療を希望される方へ
・北斗クリニックを受診後、手術の日時を相談して頂きます。・健康保険が適応されます。費用は3割負担で約1万円です

北斗病院副院長
患者サポートセンター長
耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長
坂東 伸幸

耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長
後藤 孝

医師
有馬 涼太

医師
中牟田航希