
皆さんX線って何?って言われると「放射線?う~んよく分からないな」という方が大半でしょう。一言で言うと「光の仲間」です。「光の仲間」には紫外線、赤外線、ラジオ波も含まれます。違いはエネルギー(物質を突き抜ける力)です。今回はそんなX線を使ったCTについてお話ししたいと思います。



藏本 歩
レントゲンと何が違うの?
X線写真(レントゲン写真)はX線を1方向から見たもので、手前にX線を強く吸収する物質があればその後ろの物質は基本的には見えません。一方、CTはぐるっと人体を一周してX線を照射し、画像化するため内部構造が分かります。一般的に診断能力はCTが優れておりますが、レントゲン写真に比べ多方向から撮るため被曝が多く、やや煩雑で費用もかかるため、検査を施行するかは医師がより慎重に判断します。しかし最近は技術が向上、当院のCTでは従来比最大82%の被曝低減も可能となるなど、「カラダに優しい」検査を行なっています。
レントゲン撮影とCT撮影方法の違い。検出器に対してX線を照射するのは同様ですが、1つの方向から照射するレントゲン撮影と違い、CT撮影では被験者の周囲を回転しながらX線を照射。これにより詳細な画像を得ることが可能となります。
手術シミュレーションに使われます
ここ数年CTを用いた手術シミュレーション画像が重宝されています。CTは形態診断(形を診る)に優れているため特に外科分野で活躍します。最近では歯科・口腔外科からの依頼でCTデータを元に、3Dプリンターによる顎のモデルを作成しており、実際の手術に役立てています。