人生100年時代とうたわれ、世界に冠たる長寿国となった日本ですが、その一方で、加齢に伴う運動機能障害は大きな社会問題といえます。膝を中心とした関節の痛みで、体動・歩行困難となり、介護問題が議論される昨今ですが、痛みを取り除き、健康寿命を伸ばすことが大切です。痛みのない明日をめざして、笑顔で楽しい毎日を過ごしていきましょう。
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北斗クリニック 院長/北斗病院 副院長
整形外科 主任部長/膝・股関節センター センター長
石田 直樹
変形性膝関節症とは
加齢や外傷などにより、関節表面の軟骨がすり減っていく状態です。徐々に変形は増悪し、痛みも強くなり、膝関節が動きづらくなって歩行困難をきたします。痛みのある膝をかばい、反対側の膝や腰など周辺にも負担がかかって、さらに体動が困難となっていきます。現在国内には約3千万人の患者さんがいると推定されています。
原因となりやすい人
発症の原因としては、①年齢、②肥満、③女性、④遺伝、⑤外傷などが考えられます。また、過度の運動・使い過ぎ(overuse)も原因といわれています。基本的な病態は加齢変性に伴うものです。体重増加により膝関節への負担は増し、ホルモンや遺伝の問題も関与してきます。
膝の痛みを予防するには
発症の原因である年齢、女性、遺伝は残念ながら予防はできません。しかし、肥満(体重増加)、外傷、過度の運動・使い過ぎ(overuse)は予防可能です。体重を管理し、外傷・使い過ぎに注意しつつ、関節負荷の軽減のためにも下肢筋力の増加・維持が大切です。毎日無理のない適度な運動を心がけましょう。
症状と病期分類
椅子から立ち上がる時、しゃがんだ時、階段の上り下りの時などに痛みを感じ始めることが多いです。また、炎症を起こして、いわゆる“水がたまる”腫張をきたすことがあります。痛みが持続すると、伸ばしたり曲げたりすることが困難となる可動域制限をきたします。長期化すれば筋力も低下し、歩行が困難となっていきます
変形性膝関節症の病期分類(Kellgren-Lawrence分類)